桧洞丸(檜洞丸)

写真は昨年の5月11日撮影

04年5月3日(月)

玄倉の天気予報をインターネットで確認すると、15時までは”くもり”、その後は”雨”だった。念押し確認の為、カーラジオもNHKに合わせて天気予報を聞く。

間違いなく”くもり”の予報だった。そして時によっては”薄日もさす”と流れた。連休後半、出掛けるのは今日しかない。

7時45分、西丹沢自然教室を出発する。キャンプ場には殆ど隙間なくテントが張られ、キャンパーの多いのに驚いた。彼らが一斉に帰路についたらと考えたらゾーとした。是が非でも巻き込まれないうちに帰ろうと思った。

 

写真は02年に撮影したウツギの場所

 

家を出た時からの霧雨は続いている。それでも新緑の中を歩くのは気持ちが良い。しかし、権現山が良く見えるウツギの多い場所は、大きな木が何本か倒れていた。数年後には、 ここはガレ場になってしまうのかと思われた。

8時半、ゴーラ沢出会いに到着した。ここには高さ1mほどの橋脚が出来、その上にクチナシ色をした、作られたばかりの木橋が設置されていた。これで少々の増水でも心配がなくなった。

早速、写真を撮ろうと、雨対策でビニールに包んだカメラを、リュックから出そうと思ったが、出てくるのはビニールに入った飲食物だけだった。後で分かったが、車から降り た際にサードシートにリュックを立てかけたのが、靴を履き替えている間に倒れた。その時カメラだけが床に落ち、セカンドシートの下にもぐり込んでしまったらしい。

これから取りに戻る元気もないし、まして写真撮りが私の山の目的ではないので、そのまま進んだ。

写真は01年6月のゴーラ沢出合

今日はおまけに高度計の付いた時計まで忘れてきた。しかし、もう十数回と登っているここの高度の目印は分かっている。高度800m付近に大木のブナがある。そこには山桜の花びらが落ちていた。因みに、地上から1.3mの高さの周囲が 3m以上が大木で、更に5m以上は巨樹と言うのだそうである。

900m付近で3人のグループとすれ違った。その中の一人の女性が、リュックからはみ出た三脚を見て『写真ですか?』と聞かれた。私が忘れた事実を話すと、『今日は富士山も見えないからいらないわよ。』と慰めの返事。更に、『ゴヨウツツジ (シロヤシオ)は石棚で咲いているわよ。』と教えてくれた。

『ツツジ新道はちらほら』と付け足されたが、私が勘違いして『石棚はちらほら咲いているのですか』と確認すると、一瞬戸惑い『石棚はもう少しちらほら咲いています』と返事があった。同じ仲間の男性が『カメラ持って来なくて良かったね』と言ったので、皆で大笑いをして分かれた。

9時20分、展望園地に着く。

02年5月

 

展望園地付近ではツボミを持ったミツバツツジが2〜3本あった。更に進むと花の咲かなかったツツジは全体の7割、ツボミを持ったのが3割程度までになった。木の本数での3割であって、木全体にツボミを持ったものはなかった。

更に登ると前方が崩れ、迂回の木の階段があるところが1300m付近である。ここの階段左に枝全てにツボミを持った木が1本あった。そして、ここからはシロヤシオの 木が多くなってくる。シロヤシオの葉は槍の穂先のような形をし五枚葉である。

そして、朽ちたブナの右に咲き始めたシロヤシオがあった。その先にも点々と白いツボミが見られた。今年は昨年よりはマシかもしれないが、やはりこの種も木全体に咲いてるのは少ない。

 
 

 

段々強くなる雨に、テシロノ頭への分岐の手前辺りで引き返す事にした。早いミツバツツジの木は1400m付近でも葉を出していたが、花もツボミも無かった。早すぎた気温の上昇に花芽を準備する時間が無かったのかもしれない。気温の上がり難い場所のツツジは略 昨年と同じ時期に咲くのかもしれない。

また、気温が平年なみに戻れば、1300m付近のツボミを持ったシロヤシオは今週末頃が見頃と思える。

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